【中国の名物鍋料理一覧】定番の火鍋・ラムしゃぶ~変わり種のヤギ鍋・砂鍋まで、美味しいお鍋を一挙紹介!

2023年6月4日グルメ, 火鍋

皆さん、新年快楽(シンニエン クアイラ)!明けましておめでとうございます^^!

昨年末からOmicronが活発化していて、まだまだ大変な世界ですが、皆さんが健康に幸せな日々を送れることを願っています

日本では各地で寒波や大雪が発生し、例年にまして寒い毎日だと聞きます。そんな冬に心と体を温めてくれる物と言えば、何が思い浮かびますか?

私がまず思い浮かべるものはコタツです!コロナ前に冬の青森旅行で体験したあの暖かさが忘れられません(*´ω`*)

もう一つ、冬に忘れてならないのが、なんと言ってもお鍋ですよね☆日本と同様に、中国でも地方ごとに変わった鍋料理が存在します

そこで今回は中国各地の名物鍋料理を地方ごとに紹介していきたいと思います!定番の味に飽きた方が新しいお鍋のideaを見つける役に立てれば嬉しいです

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北方地方+内モンゴル自治区

北京や遼寧が位置する北方地方や内モンゴル自治区は、中国の中でも比較的寒い地域です。冬場には雪が降り、気温は氷点下まで下がります。そんな北方地方で好まれる火鍋は、体を温める効果のある羊肉を使用したものが多いです。

老北京涮羊肉

まず始めに紹介するのは、北京で人気の老北京涮羊肉(ラオベイジン シャンヤンロウ)です。生姜を入れただけのシンプルなスープに、新鮮な羊肉のスライスをサッとくぐらせて、ゴマダレや醤油ダレで食べます。

以前は炭火が使用され、一酸化炭素が鍋の真ん中に空いた煙突を抜ける過程で鍋を熱し、スープの温度が下がらないよう一役買っていました。現在では電気が使用されるので、その役目は薄まっています。羊以外に沢山のお肉や野菜を入れたものを老北京火鍋と呼びます。

内蒙肥羊火鍋

羊肉を使用した内蒙古肥羊火鍋(ネイモンゴ フェイヤンフオグオ)は内モンゴル自治区でも人気です。冷凍ではない新鮮なラム肉やマトンが好まれ、ゴマダレにつけて頂きます。中国の全土でも人気のある鍋で、可愛らしい羊のロゴマークが特徴的な小肥羊というチェーン店が有名です。

また最近では四川系の火鍋の影響から、麻辣スープを使用するお店も増えています。羊肉の独特な香りが少し苦手な方でも、辛みのあるスープで小時間煮込むことによって美味しく食べられます。

羊蝎子火鍋

羊の背骨の肉を使用した羊蝎子火鍋(ヤンシエツフオグオ)は、臭みの強い背骨やせき髄の肉をお酒に浸し、唐辛子・豆鼓醤・桂皮・クローブなどの香辛料を沢山使って味付けし、炭火で焼いたものを鍋にしたものです。

宋の時代に貧しい文豪が、人々があまり食べない部位を何とか美味しく食べようと工夫して調理したのが始まりとされています。蝎子(シエツ)はサソリの意味で、形が似ていることからそう呼ばれます。

東北白肉火鍋

豚肉をメインに添えた東北白肉火鍋(ドンベイバイロウフオグオ)には、主に豚バラ肉が使用されます。脂ののった豚肉をさっぱり頂くため、白菜やシイタケ、豆腐などを入れます。

塩味が効いたスープが食材とよく合い、体の芯から温まるお鍋です。日本の方の口にあう味だと思います。

四川・重慶

中国の西南部に位置するのが四川省と重慶直轄市です。夏場は気温が非常に高くなるため、山に行って森林浴をするのが人気です。自然豊かなこの地域には多くの種類の唐辛子や花椒(ホアジアオ)が自生し、麻辣火鍋の素となっています

麻辣火鍋

四川や重慶を代表する火鍋が麻辣火鍋(マーラーフオグオ)です。スープに唐辛子や花椒を始めとした香辛料がたくさん使われていて、辛さの中に複雑な旨味があるのが特徴です。

具材そのものの味を楽しむというよりは、強烈なスープとの相性を楽しむ感じです。具材には食感が楽しい内臓系や干豆腐、肉団子・魚肉団子などが人気です。麻辣火鍋の発祥・発展の歴史麻辣火鍋に合う食材ランキングは特集記事をどうぞ!

串串香火鍋

四川系のお鍋の中でも特に重慶で人気なのが串串香火鍋(チュアンチュアンシアンフオグオ)です。串に刺した食材(各種お肉・海鮮・野菜・豆腐類等)を麻辣スープでよ~く煮て、しっかりスープの味が染み込んだ所を頂きます。

重慶では串串火鍋の専門店があるほか、テイクアウト用に串串を売っているお店も多くあり、ファストフードの一つとして楽しまれています。詳しくはこちらの記事をご覧ください★

魚頭火鍋

魚頭火鍋(ユートウフオグオ)は、文字通り魚の頭を使った火鍋です。川魚の頭を使うのが一般的です。四川ではスープは香菜(シャンツァイ)を効かせた麻辣味が人気ですが、野菜ベースの塩味白濁スープを使用する場合もあります。

白濁スープの場合、魚の味がよく溶けだしたスープも美味しく飲めるため、長ネギ・もやし・エノキ・じゃがいも・豆腐等の野菜をたっぷり入れ、スープと一緒に頂きます。特に中国内陸部の川沿いに位置した街で冬場に人気のある火鍋です。

雲南・貴州

雲南と貴州は四川の下に位置する中国南部の省です。気候は温暖湿潤で、山あいの土地が多く、山河の恵みを利用した火鍋が特徴です。この2つの省は風光明媚な土地として有名で、中国国内から多くの人が写真を撮りに訪れます。

菌菇火鍋

菌菇火鍋(ジュングフオグオ)は、猛禽類(キノコ)をふんだんに使用したお鍋です。スープには白酒や牛油、生姜、ニンニク等が使われ、キノコの味を引き立てるサッパリ味に仕上がっています。

また漢方薬に利用される食材もたくさん入っているため、滋養強壮に優れたお鍋です。少なくとも5種類以上のキノコを入れるのが一般的で、それぞれ違った食感が楽しめます。鶏肉を入れても美味しいですよ^^

腊排骨火鍋

腊排骨火鍋(ラーパイグフオグオ)は、豚のスペアリブ(パイコー)を、もやしやセロリ、トマトなどが入った塩味スープで似て食べる料理です。骨付きのお肉をお椀に取って、お肉をお箸でつついて頂きます。

セロリの爽やかな苦みとトマトの酸味が良いアクセントになっています。パイコーはそのまま塩味で食べても十分美味しいですが、お好みのタレ(麻辣系やゴマダレ、醤油ダレ等)に付けて味変しながら食べるのもオススメです☆

黑山羊火鍋

黑山羊火鍋(ヘイシャンヤンフオグオ)は、雲南省麗江発祥の黒ヤギを食べるお鍋です。雲南省や四川省南部に住む少数民族のナシ族が海抜2000m以上の高地で育てた黒ヤギは高タンパクかつ栄養豊富で、低カロリーなのが特徴です。

炭火で焙った新鮮なヤギ肉は風味豊かで、塩味ベースのスープとよく合います。具材にはキノコや野菜など、山の幸がふんだんに使用され、滋味豊かな味わいがクセになるお鍋です。

滇味火鍋

滇味火鍋(ディエンウェイフオグオ)は、雲南省名物の野菜やキノコをたくさん使ったお鍋です。鶏ガラまたは牛ベースのスープや、辛み抑えめの麻辣スープがあります。

具材では豚肉や牛肉のスライスも人気で、ごま油のタレに付けて頂きます。もっと辛みが欲しい方は、ごま油に粉末唐辛子や刻んだ唐辛子を加えて、自分好みの味にして楽しめます。

酸湯魚火鍋

酸湯魚火鍋(スアンタンユーフオグオ)は、貴州発祥の魚を使った火鍋です。元々貴州では、清湯ベースのスープで川魚を煮た酸湯魚が人気でしたが、お隣の四川省からの影響で、いつからか麻辣スープを使用するのが定番となりました。

川魚を丸ごと入れてしっかり煮込むため、臭みは全く感じません。具材では干豆腐のスライスや白菜、ランチョンミートなどが一般的です。

江蘇・浙江

江蘇省と浙江省は上海市を挟むように中国東部に位置しています。海に面しており海鮮料理が人気な他、河川の利用も盛んで、イタリアのベニスの様な街並みが広がります。気候は穏やかで、都市部から離れ内陸部に足を延ばせば、豊かな自然を満喫できます。

菊花暖鍋

菊花暖鍋(ジュフアフオグオ)は、食用菊の黄色が目に鮮やかな鍋料理です。魚肉と魚の骨で出しを取ったあっさり味のスープに菊を浮かべ、羊肉や豚肉、白菜・豆腐・シイタケなどを入れて食べます。

レストランではゴマダレと醤油ダレのほか、多くの種類のタレと薬味が用意されていて、各自好きな味付けを楽しめます。温暖な気候にあった優しい味わいが特徴のお鍋で、上海や隣接する省の冬の風物詩になっています。

一品鍋

一品鍋(イーピングオ)は、安徽省徽州の山岳地帯の冬の名物料理です。言い伝えによると、明の時代に政府の高官の家にある日突然皇帝が訪れたため、高官の妻は山海の幸をふんだんに使った鍋料理を振舞いました。その鍋を皇帝が大層気に入り、その鍋料理を高官の官位である”一品”になぞらえ、”一品鍋”と命名したそうです。

一品鍋では食材はいくつかの層に積み重ねられています。例えば、タケノコの層・鴨肉の層・鶏肉の層・豆腐の層・肉団子の層・キノコ類の層などが挙げられます。またナマコや魚が使用されることもあります。栄養ばっちりなヘルシーな鍋ですね。

什錦暖鍋

什錦暖鍋(シュージンヌアングオ)は、上海で人気の寄せ鍋です。主な材料は、鶏肉・豚肉・豚レバー/腎臓・白菜・青菜・シイタケ・ほうれん草・卵などです。野菜が沢山入っているのが特徴です。

上海らしく、食材本来の味を楽しむため味付けは控えめで、野菜のダシが出た透明なスープは栄養満点です。油の多い中華料理に胃が疲れた時には、うってつけの鍋料理です☆

八生火鍋

八生火鍋(バーションフオグオ)は、浙江省や福建省で人気のお鍋です。生姜がほんのり効いた透明なスープに、鶏肉や魚介類がたくさん入ります。魚介類は魚・海老・カニ・イカ・タコ・貝類など、たくさんの種類が使用されます。

肉類では鶏肉のほか、豚や牛の内臓系が人気です。魚介類から出たダシがたまらなく美味しいです!(^^)!。中国では日本のように鍋のシメを食べる食文化は盛んではありませんが、ラーメンを入れてみてもバッチリ合いそうな味わいです。

三鮮火鍋

三鮮火鍋(サンシエンフオグオ)は塩味ベースの鍋料理です。土の三鮮(ジャガイモ・豆・ナスまたはにんにくの芽)、樹の三鮮(杏子・枇杷・プラム)、水の三鮮(タウナギ・フグ・ニシン科のジギョ)が主に使用されます。*三鮮は地方やレシピによって異なります

鶏肉やハム、キノコ類でダシを取ったスープに、各三鮮が浮かびます。厳格なレシピはないため、中国全土でそれぞれの風土に応じて形が変わって親しまれている家庭的な鍋料理と言えると思います。

広東/香港/マカオ

海に面した広東省や香港・マカオでは、魚介類を使った火鍋が有名です。また広東語圏は多くの人口を誇り、広東料理は数ある中華料理の系統の中でも独自の発展を遂げています。素材の味を生かすシンプルな味付けや少し甘めの調味料が特徴です。

海鮮火鍋

海鮮火鍋(ハイシエンフオグオ)は、広東省で人気の海老・カニ・つみれ・ホタテ・イカ・タコ・貝類などなど魚介類を詰め込んだ火鍋です。スープはあっさり塩味で、シンプルに魚介類の味を楽しめるように工夫されています。

魚介類のほかに牛肉や豚肉、シイタケ・トウモロコシ・白菜・豆腐等野菜類もお好みで入ります。広東省では海鮮火鍋の専門店が多くあり、食べ放題スタイルのお店も少なくありません。

粥底火鍋

粥底火鍋(ジョウディーフオグオ)は、広東省名物のお粥と鍋が合わさった料理です。お粥はお米・水・塩・油・生姜で作る白湯タイプと、豚骨または鶏肉でダシを取る高湯タイプが一般的です。また鶏一匹を贅沢に使ったり、鴨や金華ハムでダシを取った豪華版もあります。

具材となる肉類や魚介類をお粥の入ったお鍋に入れ、火が通ったら器にとってお米と一緒に頂きます。具材から出たダシをどんどんお米が吸っていくので、食べれば食べるほど美味しくなっていく嬉しいお鍋です(*´ω`*)

豆捞火鍋

豆撈火鍋(ドウラオフオグオ)は、マカオ発祥の海鮮鍋です。深海魚などの魚介類からダシを取り、醤油ベースのスープと合わせます(塩味・麻辣味等もあります)。具材は魚介類・肉類・野菜類何でも入ります。

”豆撈”の由来は、中国語の都撈(ドウラオ。”都”=”すべて”、”撈”=”手にする”を意味し、転じて幸福や富、友情、愛情等を指します )と英語のDollarの発音に由来します。多くのチェーン店があり、お隣の香港でも親しまれている鍋料理です。

潮汕牛肉火鍋

潮汕牛肉火鍋(チャオシャンニウロウフオグオ)は、広東省潮汕の名物料理です。潮汕は海に面しており、新鮮な海産物が手に入る土地柄ですが、牛肉の火鍋が名物になった変わった例です。牛肉の様々な部位をしゃぶしゃぶして頂きます。

伝統的な作り方では、沙茶醬(サチャソース。広東や台湾で人気の干しエビやニンニクが入った大豆油ベースの甘めのソース)を使用しますが、近年では牛骨&大根ベースが主流となっています。トウモロコシが入っているのも特徴的です。

猪肚鶏火鍋

猪肚鶏火鍋(ジュードゥージーフオグオ)は、名前の通り豚の胃(トリッパ)と鶏肉が入ったお鍋です。新鮮な鶏肉でダシを取ったスープに、トリッパをたくさん入れて良く煮てから頂きます。

漢方薬に使用されるもナツメやクコの実などが入っているのが特徴で、体に良い薬膳鍋のような趣もあります。お椀に取り分けた鶏肉やトリッパに、お醤油やサチャソースを付けて頂きます。

钙骨火鍋

钙骨火鍋(ガイグフオグオ)は、豚骨ベースの白濁スープが特徴的なお鍋です。ゴロゴロした豚骨が具材としても入っているのが印象的です。钙骨とはカルシウムのことで、豚骨から出た栄養をたくさん摂れるお鍋として認知されています。

比較的新しいタイプのお鍋で、四川系の激辛スープとは対照的にマイルドな味付けで、健康志向が高まる中国でこれからさらに注目されていくお鍋かも知れません。豚骨以外、具材に特に決まりはなく、なんでも好きなものを入れて食べられるのも魅力です☆

その他

椰子鶏火鍋

椰子鶏火鍋(イェーツジーフオグオ)は、ココナッツと鶏肉を使用したお鍋です。中国南部の海南島ではココナッツが取れ、ブランド鶏の海南鶏(ハイナンチキンライスで有名ですね)と合わせた鍋がこちらです。

ココナッツは透明な水タイプで、甘味が強いココナッツミルクとは違い、サッパリとした甘さが特徴です。このほのかな甘みが鶏肉と絶妙にマッチしていて、病みつきになる味わいです。広東省の一部や香港でも提供されています。

砂鍋

砂鍋(シャーグオ)は、石英や長石、粘土から作られるキャセロール鍋を使った鍋料理の総称です。中国全土で広まっている調理法で、地方によってスープの味付けや食材が異なります。

例えば西安では、ジャガイモから作られた麺が入った少し辛めの砂鍋が人気だったり、香港では一人用の鍋にご飯と具材を入れて炭火でガンガンに熱したもの(土鍋を使ったものは特に”煲仔飯”ボージャイファンと呼ばれます)が冬の名物になっています。

最後まで記事を読んでいただきありがとうございました!

どの鍋が一番美味しそうか、チャレンジしてみたいかなど、コメントお待ちしています^^

2023年6月4日グルメ, 火鍋鍋変わり種

Posted by Shiba Shiba